北朝鮮が9月15日(金)午前6時57分頃に、ミサイルを発射しました。発射されたミサイルは、北海道上空を通過した後、7時16分ごろ襟裳岬(えりもみさき)東約2200キロの太平洋上に落下したそうです。

北朝鮮が弾道ミサイル発射、北海道から太平洋へ通過(9/15)

以前から北朝鮮は、ミサイルを発射していました。ですがここ数年、その回数が飛躍的に増えています。また北朝鮮は核開発にも成功し、地下核実験も複数回、行っています。

北朝鮮がミサイル発射 アメリカの反応は(17/09/15)

なぜ北朝鮮はミサイルを飛ばすのでしょうか?(しかもこんなに頻繁に)。なぜ発射されたミサイルはいつも、日本列島上空を飛んでいくのでしょうか?(韓国上空を横切るように発射しないのでしょうか?)。また将来、北朝鮮と戦争が起きるのでしょうか?

この記事では、これらの疑問について考えてみたいと思います。

なぜ北朝鮮はミサイルを飛ばすのか?

なぜ北朝鮮はミサイルを発射するのでしょう?しかもこんなに頻繁に。

かつて理由として挙げられていたのは、 北朝鮮はミサイル発射実験や、核開発を外交カードとして使っている」というものでした。これは、「ミサイル発射実験や核開発をやめて欲しいなら、引き換えに北朝鮮に食料や軽水炉(原子力発電所)の技術を援助しろ」というものです。

ですが最近、北朝鮮からはそのような要求はほとんど出てきていません。

では北朝鮮の本当の狙いは何なのでしょう?

私は金正恩(キム・ジョン・ウン)が、『米韓軍の攻撃』を恐れているということが、北朝鮮がミサイル発射や核実験を行っている最大の理由ではないかと思います。

去年頃から、アメリカは北朝鮮の核兵器とミサイル関連施設を集中的かつ精密(ピンポイント)に爆撃する計画を立てているそうです。そればかりか、金正恩をピンポイント爆撃で殺す計画も立てているようです。更に韓国では、特殊部隊を北朝鮮に侵入させて、金正恩を殺害するといういわゆる『斬首作戦』も立案されているようです。

アメリカのB-1爆撃機

韓国軍特殊部隊

一部の専門家や情報筋によりますと、このような米韓軍の計画に金正恩は「恐れおののいている」のだそうです。事実、「金正恩は毎日、寝る部屋や家を転々としているらしい」とか「金正恩は移動する際、部下の車を使っている」などという情報をしばしば聞きます。

金正恩氏がつい漏らした米韓「斬首作戦」への恐怖心

「米韓軍のそのような作戦を“断念させる”もっとも有効な方法は、アメリカ本土まで飛べる“ミサイル”とそのミサイルに積む“核兵器”を一日も開発することである」そう金正恩は考えているというのです。

超ワガママで、なんでも自分の思い通りにしないと気が済まない、金正恩のことですから、彼が一番心配しているのは、自分の身の安全だろうと思われます。

そう考えると、ミサイル発射と地下核実験を頻繁に行い、アメリカや日本、韓国などに対して日頃から強気な発言を繰り返している北朝鮮の行動には、一定の説明がつくように思われます。

なぜ発射されたミサイルはいつも、日本列島上空を飛んでいくのか?

二つ目の疑問「なぜ発射されたミサイルはいつも、日本列島上空を飛んでいくのか?」についてですが、私は「日本をターゲットにしているのではなく」、別に二つの理由があるのではないかと思います。

第一に「アメリカへの威嚇」という理由があるのではないかと思われます。北朝鮮が開発した“弾道ミサイル”は、ハワイ、アラスカとアメリカ本土の西海岸を射程距離に収めていると言われています。北朝鮮はそのことをミサイル発射で、アピールしたいのではないでしょうか?

今朝発射されたミサイルは、北海道上空を通過して“まっすぐ東”に進んでいきました。その“直線”をさらに延ばせば、その先にあるのはハワイやアメリカ西海岸です。

ですがもしミサイルをハワイ沖や西海岸沖まで飛ばしたら、アメリカを刺激して攻撃してくるかもしれない。ただそうかといってミサイルを日本海に落下させるだけでは、インパクトが小さい。そこで、「日本上空を通過した先の太平洋上、ただしハワイのかなり手前で落とすのがベストである」、そう金正恩や北朝鮮の指導者たちは考えているのではないでしょうか?

ちなみに最近、北朝鮮がよく「グアムへの攻撃」を口にしていましたが、これはグアムの基地に配置されている、アメリカの爆撃機部隊を意識してのことだと思います。

また「日本の上空をミサイルが通過しても、“専守防衛”を掲げる日本は、強く出ることはないだろう」と北朝鮮は考えているのではないかと思います。これが北朝鮮のミサイルがいつも日本上空を通過する第二の理由ではないかと思います。

北朝鮮と戦争は起こるのか?

最後に「北朝鮮との戦争は起こるのか?」という疑問についてですが、個人的にはその可能性は小さいと思います。

仮にミサイルをアメリカや日本に打ち込めば、ほぼ間違いなく日米(プラス韓国)との戦争になるでしょう。またもし核ミサイルをアメリカや日本に発射すれば、間違いなくアメリカの報復攻撃を受けて、北朝鮮は“消滅”することになるでしょう。核兵器の保有量では、北朝鮮はアメリカの足元にも及びません。

自分の国を滅亡させるリスクにさらすようなマネを金正恩がするとは思えません。

では逆に、アメリカが北朝鮮のミサイル・核関連施設や、金正恩をピンポイントで“攻撃”する可能性は、あるのでしょうか?

私はこの可能性も低いと考えています。

もし爆撃しても北朝鮮のミサイル・核施設の破壊に失敗したら?もし金正恩がアメリカの爆撃を逃れたら?間違いなく北朝鮮は“反撃”することでしょう。もしかしたら「ヤケクソ」になって、核ミサイルをアメリカか日本(或いは両方)に発射するかもしれません。

そのようなリスクをアメリカが、敢えて負う可能性は低いのではないかと思います。

では今後の北朝鮮情勢はどうなるのか?私は、アメリカ、北朝鮮どちらも相手に対する「決め手」を欠いたまま、しばらくはこのままの“にらみ合い”というか“こう着状態”が続くのではないかと思います。

恐らく北朝鮮、アメリカのどちらかが、一定期間のにらみ合いの後、手詰まりまたはしびれを切らした時に、事態が動き出すのではないか?そう個人的には予想しています。